にまきゅーの作業部屋

鉄道系ブログ(関東中心)。見た・乗った鉄道について気まぐれに語ります。

1編成のみの異端児! 南武線の「E233系8500番台」N36編成

E233系8500番台 稲城長沼にて

 現在はE233系のみが活躍する、南武線。6両編成が36本在籍しています。その中でも、1編成だけ、変わった車両がいることを、ご存じでしょうか? その編成とは、N36編成です。

今回はそんな、南武線の異端児を紹介したいと思います。

 

N36編成の特色

他の編成と比べて多くの違いがありますが、ここでは目立つものを中心に紹介します。

現在もある違い

・ドアボタンがついている(使用停止中) 

列車番号表示器が行先表示器と一体になっている

・行先の表示方法が違う

・番台が違う(他の編成は8000番台、N36編成のみ8500番台)

現在は見られなくなった違い

・座席モケットがオレンジ色(中央線用0番台と同じ)

・室内灯が蛍光灯(8000番台は登場時からLED)

→転属後に8000番台と同じものに交換

 

パッと見わかることだけでも、これだけの差があります。

8500番台 N36編成の半自動ドアボタン(使用停止中)

列車番号と種別・行き先を同じ表示器で表示する8500番台
(表示切れてしまってすみません…)

 

どうしてこうなった?

なぜ、N36編成だけが、こんなにも他の編成と違いがあるのか。その理由は、

「青梅・五日市線から転属してきた『中古車』だから」です。

元々この編成は、0番台として青梅線五日市線で活躍していました。だから、南武線にやってきた今でも、0番台時代の特徴を残しており、他の南武線E233系(8000番台)とは違いが生まれている、というわけです。

 

 2016年時点で、南武線では、35編成のE233系8000番台とともに、1編成のみ209系2200番台の「ナハ53編成」が活躍していました。本来は、35編成のE233系8000番台で、既存の205・209系を全て置き換えられるはずでした。 しかし、置き換え開始の直前に、南武線では運用が1つ増えてしまいました。本当は、新型のE233系8000番台の投入本数も1編成増やさなければいけないのですが、何らかの事情で投入本数を増やせませんでした。その結果、209系が1編成のみ残ってしまっていた、というわけです。

 しかし、1編成のみ209系が残っている状況は、乗客からしても、保守の現場からしても、あまり喜ばしいことではありません(鉄道ファンだけは嬉しいですが…)。そこで、209系ナハ53編成を置き換えることにしました。

 

 そんな時ちょうど、立川で顔を合わせる青梅線では、E233系0番台の6両編成が余り気味でした。そこで、そのうち1編成を南武線に連れてきて、209系を置き換えることにしたのです。そこで登場したのが今回の主役「N36編成」です。

 帯色の変更、LCD取り替え(17インチ化)などを行い、2017年3月15日より南武線での営業運転を開始しました。その後、モケット交換や室内灯LED化等の、8000番台に近づける改造を行いつつも、先述した特徴も残ったまま現在に至ります。

 

8500番台 N36編成に会うには?

 現在の運用区間は、南武線の川崎〜立川間。限定運用は設定されておらず、8000番台35本と同じ運用に入っています。(つまり、普通に南武線に乗った場合、出会える確率は1/36ということになります。)

 どうしてもN36に会いたい! という方は、運用情報まとめサイトさんをチェックするか、前日の運用から予想するか、Twitter等で目撃情報を探してみると良いのではないでしょうか。

 

 

 今回は、1編成のみの異端児、南武線E233系8500番台「N36編成」について紹介しました。

 最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

こちらは8000番台(南武線生え抜き)。運番表示は前面窓の左下。